What is the future of publishing? We interviewed Mr. Juergen Boos, Director of the Frankfurt Book Fair. Hope you’ll enjoy the interview. Hiroki Kamata and Roberto V. Zicari. (Editors) ... [続きを読む]
E-Book
新潮社「五箇条の御誓文」の「なぜ」
新潮社が電子書籍ライブラリーの開巻劈頭に載せている「電子書籍 基本宣言」を、「マガジン航」(5/22)で知りました。そこで仲俣さんがたいへん適確かつ含蓄のあるコメントをされていますが、これって時代の証言として歴史的(骨董的)な価値を持つものになるのではと思い、格調の低い蛇足・駄文を承知で一言感想を述べさせていただきました。なお、本稿についての異論、反論をおおいに歓迎します。 ... [続きを読む]
「電子書籍元年」の倒錯と錯覚
「電子書籍元年」と言われるが、本誌は現在の市場に危機感を持っている。従来の活字文化を継承する日本語電子ペーパー書籍体験という基本が出来ないうちに、1.5世代環境とも言うべきカラーLCDタブレットでの出版へと関心が誘導されているからである。これでは本も読書も進化するどころか、退化してしまう。本はデバイスやビジネスのためにあるわけではない。本と愛書家を無視した市場形成は、社会と出版文化をさらに縮退させる。 ... [続きを読む]
E-Bookの価格問題 (1) 価格戦略の基本
E-Bookは紙の本と無関係に売れている。紙よりも潜在市場が大きいことは、すでにアマゾンが証明した。ならばその価格は、絶対に「紙に影響を与えない」レベルといった超消極的、退嬰的姿勢ではなく、コンテンツの価値を最大化するという戦略的観点から決定すべき時期に来ている。 ... [続きを読む]
E-Bookベンチャー(1):序
中国やインドを含む多くの国で、E-Bookに関するベンチャーが起業しつつある。また多くのWebサービスが、E-Bookベンチャーを容易にしている。製作と流通における敷居が圧倒的に低いE-Bookビジネスは、“TBTF”(大きすぎて潰せない)ではなく“TSTF”(小さすぎて失敗しようがない)ということが、このビジネスを魅力的なものにしている。規模の大小に関係なく、コンテンツの価値を最大化する方法を見つけさえすればいいのだ。それはたんに自主出版についてだけ言えるわけではない。ここでは可能性の一端をシリーズでご紹介していくことにしたい。まずはイントロから。 ... [続きを読む]
E-Readerの価格戦争 (1):次の主役は出版社
KindleやNookを中心に、E-Readerの低価格化が始まった。これは「値崩れ」ではなく米国における市場の量的→質的変化を示すものだ。E-Readerの主流はガジェット市場から外れて実用的な「読書端末」になり、ユニークなバリエーションが生まれる。しかし、ハード側の多様化に目を見張るより前に、端末が低価格化がコンテンツビジネスに質的変化をもたらすことを重視すべきだろう。周回遅れにされた日本は、この変化に注目することでむしろ遅れを短縮できるかも知れない。 ... [続きを読む]
E-Book製作環境としてのCMS+IA:問題の設定
6月(22日)の研究講座は「E-Bookの製作環境としてのCMS+IA」を取り上げる。E-Bookの製作環境を持ち、効果的に運用することは、デジタル時代の出版社にとって最大の課題であると考えるからだが、このテーマは簡単ではない。内容と位置づけを理解したうえで、動くものに接して初めて納得がいくものだろう。そこでまず次回のスピーカーをお願いしている清水 誠さんに、こちらの問題意識をお伝えし、やり取りしながら何をどう話していただくかを決めていくという手順を踏むことにした(読者の皆さんからもコメントをいただいて、一緒に考えていきたいので、本サイトで公開とします)。 ... [続きを読む]
E-Bookの急伸続き、紙も増加の3月米国出版
米国出版社協会 (Association of American Publishers (AAP)は5月24日、2010年3月と第1四半期の書籍売上データ(卸売ベース)を発表した。3月の総売上は前月比で16.6%増の4億5,820万ドルで、対前年比では8.0%の増加。E-Book販売は184.4%増の2,850万ドル。年ベースでは251.9%。四半期ベースでも傾向は変わらず、iPadが登場することで「爆発的増加」はさらにしばらく続く。 ... [続きを読む]
ビジネスモデル (3) :フリーは敵か味方か?
2009年の米国や英国の出版統計が出てきているが、いずれも印刷本が横ばいでE-Bookが急成長という傾向を示している。不況下としては大いに期待を持たせるものだ。E-Bookがまだ出荷額の5%未満であるとしても、著作権切れコンテンツを含む総出版点数で上回ったことが重要だ(Bowker Report)。またE-Readerの急増に関わらず、廉価なE-Bookが印刷本の販売を減らす(カニバリ)という事態は、これまでのところ兆候も出ていない。E-Bookの出版と利用は加速度的に伸びていくだろう。いまこそ出版社にはマーケティングが必要だ。 ... [続きを読む]
E-Bookにとって標準とは (1):意味と展開
日本電子出版協会(JEPA)は4月7日、東京・神田で「EPUB説明会」を開催し、昨年秋からメンバーとなっているIDPFに提出する「日本語要求仕様案」の概要と実装、応用例を紹介した。この種のイベントとしてはかなり密度が濃い内容で、今後の日本でのEPUBというよりはE-Bookの展開にとって重要な意味を持つものなので、今日から数回に分けて紹介し、コメントしていきたい。発表資料はこちらで公開されているので、関心のある方はぜひ読んでおかれることをお勧めする。 ... [続きを読む]