アマゾンCreatespaceは、Kindleエコシステムにおいて戦略的に重要な部分を受け持っていた。それは、デジタル中心のプロセスと市場においても、印刷本の提供が持続可能であることを保証するものだ。読者のニーズをよく理解していたアマゾンは、印刷本の制作システムの現代化に本気で取組んで、ほぼ完成したと思われる。 ... [続きを読む]
Kindle
Kindle’s late coming to town: So, why now?
Pricing and availability of titles are not at all attractive and will not make big in the near future. Nevertheless, with the large customer base of Amazon.co.jp, the landing of Kindle platform in Japan will bring about fundamental change of the market because people get to know that it is not a Galapagos separated from the digital continent. (Hiroki Kamata, Editor) ... [続きを読む]
アマゾン9月6日新製品発表イベント
9月6日(日本時間で金曜早朝にかけて)行われたアマゾンの新製品イベントは一見の価値がある。ベゾスCEOのプレゼンには、ジョブスのようなカリスマ性は皆無だが、理詰めの迫力とでも言うべきものがある。英語は日本人にも分かりやすいもの。EBook 2.0 Magazineに、内容の紹介と評価は順次載せているが、バランスよく全体を理解するには、やはり一度この1時間あまりのビデオを見ていただいたほうがよいと思う。とくに日本ではほとんど理解されているとは思えない「Kindleはサービスである」ということの意味を知るために。 ... [続きを読む]
Kindle狂想曲のクライマックス
「Kindle上陸」が主要日刊紙で間歇的しかし大々的に報じられるようになって半年あまり。確定的な報道のはずが、いずれもほどなく噂にまで格下げされている。噂にもいろいろあるが、米国のネイト・ホフェルダー氏は、この噂をユニコーン(想像上の獣)として扱い、バウカー社の調査を引用して、日本人はE-Bookなど要らないようだから、アマゾンも無駄なカネを使わないほうがいい、とまで言っている(The Digital reader, 04/18)。じっさい。これは異常な事態である。 ... [続きを読む]
アマゾンKindle書籍売上が印刷本を上回る
アマゾンは5月19日、4月1日以降、同社においてKindle書籍の売上が印刷本全部の合計を上回ったと発表した。105対100という比率だという。時間の問題とはみられていたが、怖ろしく速い。ベゾスCEOも、「印刷本で15年、E-Bookで4年足らず」という年数を強調している。リリースでは、この数字は大部分米国販売によるものだが、英国、フランス、ドイツでも「急速に紙の本に迫っている」こと、また最近出した「広告付114ドルKindle」が大成功だったと述べている。 ... [続きを読む]
E-ReaderのUXとアナログ・デザイン
印刷製本された、実体としての本の文化からE-Reader/E-Bookが何をどうやって継承し、デジタル時代の文化=ビジネスを再構築するかは、けっして迂遠な問題ではない。アマゾンのKindleの成功の一因は、ユーザーの前からガジェットとしての存在を消し、読書の世界に惹き入れ、またユーザーの好みで自在に姿を変えていく優れたデザインにあったと考えられる。表紙や装丁が出版プロジェクトの重要な要素であるように、ユーザーの「もの」として受け容れてもらえるかが問われるからだ。読書はそれほどデリケートな体験だ。ここではアナログデザインへのアプローチを考えてみたい。 ... [続きを読む]
E-Readerの価格戦争 (1):次の主役は出版社
KindleやNookを中心に、E-Readerの低価格化が始まった。これは「値崩れ」ではなく米国における市場の量的→質的変化を示すものだ。E-Readerの主流はガジェット市場から外れて実用的な「読書端末」になり、ユニークなバリエーションが生まれる。しかし、ハード側の多様化に目を見張るより前に、端末が低価格化がコンテンツビジネスに質的変化をもたらすことを重視すべきだろう。周回遅れにされた日本は、この変化に注目することでむしろ遅れを短縮できるかも知れない。 ... [続きを読む]
iPadおそるべし、早くもKindleを追撃
1ヵ月で100万台を売ったiPadだが、iBookStoreのほうはどうなのか。販売開始1ヵ月あまりのiPadが、E-Book市場で急伸しているという、かなり確実な情報が出てきた。これは本誌の予想を覆すもので重大な意味を持っていそうだ。つまり、早くも今年中(あるいは数ヵ月中)には、iBookStoreのシェアがKindle Storeに次ぐ2位を占めることになる。タブレットは若い世代のE-Readerとして定着を始めた。 ... [続きを読む]
iPadプレビュー:Kindleの敵ではない。当分は
iPadの発売が目前に迫り、アップル・ファンとメディアは過熱するばかり。最大の注目点は、どうしても Kindle vs. iPad になってしまう。本誌はこれが「虚妄」に過ぎないと言ってきたが、米国でのプレビューに目を通した限り、そうした評価が広がりそうだ。今日のiPadは、明日のE-Readerのプロトタイプではあっても、今日のマーケットに影響を与えるものではない。ジョブズ氏はとうにご存じだが、問題は明日の市場を創造できるかどうかなのだ。 ... [続きを読む]
漫画作家の独立宣言:これがKindleの衝撃!
マンガは国際的なデジタルコンテンツ出版で最も期待される分野の一つだが、1月下旬にKindle Store初となる日本語マンガ「AOZORA Finder Rock(青空ファインダーロック)」を立ち上げた2人組の漫画ユニット「うめ」の小沢高広氏に山口真弘氏がインタビューしている。Kindle DTPへの登録、入稿原稿の準備、Kindleのメリットと課題、そしてビジネスモデル、作家と出版社の関係まで、ポイントが非常に明晰に語られている。とくに以下の小沢氏の言葉を「大同団結」されている方々は熟読していただきたい。 ... [続きを読む]