新しい10年(decade)が始まった。久しくなかった温かい「風」が吹いている動きを感じる。「ゼッタイ脱出不可能」な境遇にいたはずの人がハレて中東に現れた。「脱出ショウ」にトリックがあるように、今回の仕掛けも徐々に明らかにされるだろう。ともかく硬直した非対称の世界で、生命の「風」が吹き抜けたことは、膠着状態が溶けて、重く固い「事態」が動き出したことを意味する。 ... [続きを読む]
Web
Web出版環境とは何か:DD研参加記(3)
前回は、EPUB3によって「Web出版環境」が完成した、ということを述べた。これは印刷本の電子的複製とは次元が違う、デジタルドキュメントとしてのE-Bookの潜在力が全面的に開放されたことを意味する。JLreqを含むEGLSがEPUB3に盛り込まれたおかげで、われわれは幸いにしてこの革命にそう遅れずについていくことが可能となったわけだが、そのために知っておかなくてはならないことが多い。 ... [続きを読む]
Webを出版環境に変えた活字組版:DD研参加記(2)
出版ビジネス再構築試論 (2)技術編:Webの銀河系
近代出版は機械技術に依拠した。機械文明の産物であった。情報を機械で扱ってきたが、人が頭で理解する情報を機械で扱えるものにするまでの膨大な準備作業が人間の手に残された。デジタル化はその間を様々なデータとシステムで埋めていったが、いまや労働集約的部分を置換え、機械を置換えたことで新しい段階に達した。しかしこれで終わりではない。あらゆる物理的制約から逃れ、いよいよ情報の意味と価値を直接扱うことが可能になった、という意味で出版のルネッサンスが訪れようとしているのである。しかし、そのためにはWebという新しい技術パラダイムを理解しなければならない。(写真=マルコーニとマクルーハン) ... [続きを読む]